土創り

不耕起 草や虫を生かす 持ち込まない 

 土創りの考え方:生物が土を創る

地球の写真

多様な生物を育むこの美しい地球は、ミミズや甲虫そして菌類が支えている。
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光合成の説明

驚くべき植物の力。植物は光のエネルギーを使って、二酸化炭素と水から、酸素と 炭水化物を作り出す。それらは、動物が生きてゆく上の必須分子であり、又炭水化物は植物が生長するための 栄養ともなる。

説明イラスト

自然農法では、自然が作った土が最も作物に適すると考える。 堆肥に相当する部分は自然に生える草を利用する。

注)参考資料:ニュートン:完全図解周期表、放送大学:基礎科学

土壌の元素構成と地殻、生物との比較

土壌を元素の構成比で見ると、地球創造由来の地殻との違いが顕著だ。土壌では、炭素の構成比が地殻と比べて 高いことが特徴と言える。 植物とヒトは比較的近い元素構成比となっている。
地球上に生命が発生し、植物と動物それに菌類は、お互いに共生関係を築き、進化してきた。 有機物で構成される生命の輪廻、これが土壌に炭素が多く含まれる理由であろうことは容易に想像できる。

注)元素データ出所:土壌と植物:雪印種苗(株)畜産技術情報/土壌、
ヒト:ニュートン/完全図解周期表、地殻:放送大学/基礎科学

土壌の元素構成と地殻、生物との比較

野菜栽培では土壌のpH管理が重要になるらしい。自分が管理している土壌がどのような状態なのか?ホームセンターで酸度計を 購入(3000円程度)し、説明書の測定手順に従お測定してみた。結果は、pH6.8前後で中性と出た。
酸性度が高い場合は、石灰などで調整が必要になるケースがあるようだが、中性はあまり気にしなくてもよいようだ。
畑は、図のようにA、B、C、D、Eの5区画に区切っている。

 地球上の生物界は、38億年前の菌類の誕生から始まるらしい。生物の活動の場は、長い間海の中であった。 植物の上陸は、今から5億年前だ。その一億年後、四肢動物が海から上陸を始めた。 菌類、植物、動物の上陸により、地上に『土』が活発に作られ始めたと考えてよいだろう。
 植物にとって土は、母親のような存在だ。動物は植物が無いと生きてゆけない。 その土がどのように創られてきたか、クリストファー・ロイド「137億年の物語」(注)の抜粋を以下に示す。
 

ミミズや菌類、そして甲虫をはじめとする昆虫は、地上の生物を支える貴重な資源である。 彼らは、勤勉な庭師のように、落ち葉や腐った木などをリサイクルして栄養分に変え、次世代の草や 木を育てる。
 生物がいなければ、土が生まれてくることはなく、地球は、月や火星や金星のように、塵と岩だけ の世界になっていただろう。生物がいなければ、畑で野菜を育ててくれるあの柔らかな黒褐色の土は 生まれなかった。
 土は数百万年をかけて作り変えられ、生まれ変わっている。このサイクルは「土の循環」と呼ばれる。 石炭紀(およそ3億年前)の土は、現在どこにも残っていない。現存する土は、最も古いものでほんの 数百万年前に生まれたものだ。  植物には栄養が豊富に含まれているので、それを食べる菌類やミミズやダニなどの小さな節足動物が 集まってきた。過去4億年にわたって、このような小さな生物たちが土を掘り返して、風や雨や日光に さらした。そのおかげで、土中の有機物はさらに分解され、新しい生命を育めるようになった。


 

 植物の力は偉大だ。二酸化炭素と水から光のエネルギーを得て、動物に必須な酸素を作り大気へ放出する。更に、栄養豊かな有機物である炭水化物 を作り出す。近代農法は草を嫌ってきたが、植物の体はミミズや菌類によって分解され、栄養豊かな土となるのだ。
 自然農法は、正に地球上に生物が誕生して以来、植物(生産者)、菌類(分解者)、動物(消費者)の共生関係により 創られた土をそのまま使って、自然に逆らわず、自然の中で作物を育てるのだ。

46億年の地球史

生命の輪廻

注)「137億年の物語」著クリストファー・ロイド 文芸春秋刊
   参考図書:放送大学、生物界の変遷

 土創りのスタート(2012年10月) 

畑の最初の写真 畑の拡大写真

写真は自然農法を始める前の畑で、2012年10月の撮影。畑は数年間作物は作られず、除草目的で不定期に耕起のみが行われていた。 最後の耕起は、1~2か月前か。夏の暑い時期なので直ぐに夏草が生えてきている。 農家では畑に草を生やすことを嫌うが、自然農法は、この草を活かし作物を作ってゆく。
畑は灰色(拡大写真参照)をしており、豊かな黒土とは言えない。おそらく浅間山等の火山灰の影響が、近い時代にあったのであろうか。