自然農法野菜を食べる

不耕起 草や虫を生かす 持ち込まない 

 自然農法野菜を食べる

野菜の写真

自然農法野菜を食べてみました。

 自然農法を始めた動機に、うまい野菜を食べたい、うまいモノは体によい筈だ、との考えがあった。始めて3年目に、 何種類かの野菜を収穫することができたのは幸いであった(左の写真)。
自然農法野菜は、果たして本当にうまいのか?自分の味覚で試してみることにした。
2015年8月 にわか農園主






コラム2 自然農法、慣行農法野菜の硝酸体窒素を含めた食味に関する文献



生成AIを使った文献調査で、自然農法と慣行農法野菜の比較文献を発見:自然栽培と慣行栽培野菜の化学成分の比較
要約を次に示す文献要約

コラム 自然農法野菜はなぜ旨いのか(慣行農法野菜はなぜ不味いのか)



三年間自然農法の野菜を食べてみて、自然農法野菜は、慣行農法の野菜に比べて明らかに旨いということが判ってきた。詳しくは下の試食記を見て頂くとして、ジャガイモ、カボチャ、サツマイモ、ナス類は明らかに旨い。あまり差が見られなかったのは、キュウリ、ダイコン、葉物野菜類だ。まずは、慣行農法について調べ、次に植物の成長に欠かせない、光合成と代謝について、細胞分子レベルで調べ、慣行農法と自然農法野菜との違いをさぐってみた。

慣行農法とは:植物の必須元素と化学肥料について

慣行農法と言われているのは、戦後の日本に取り入れられた欧米由来の農法で、病害虫の発生は農薬で防除し、植物の生育に必要な栄養源の一部を化学肥料に依存した農法と理解している。植物の生育に欠かせない必須栄養元素は16種類あり、炭素、水素、酸素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄、ホウ素、塩素、銅、鉄、マンガン、モリブデン、亜鉛がある。その内、必要量が多く、土壌中で不足しやすい窒素・リン・カリウムは肥料として重要で、肥料の三要素と言われている(*)。

植物の成長を担う光合成と代謝

光合成の説明 光合成は、光エネルギーを使って、二酸化炭素(CO2 大気から充当)と水(H2O 土壌から充当)から炭水化物を作る反応で有名だ(右図参照)。炭水化物は植物の骨格を作る。光合成には、慣行農法と自然農法の違いは無いと考えて良いだろう。
代謝とは、植物の細胞内における物質の返還で、細胞内でおこる化学反応のことだ。植物は代謝により、二酸化炭素(大気から充当)、硝酸イオン(土壌から充当)、硫酸イオン(土壌から充当)などの無機化合物を材料にして、光エネルギーを利用して、糖、アミノ酸、有機酸などの植物に必須の有機化合物を作り出している(*)という。人間の世界では代謝という言葉はよく使われるが、植物の世界でも代謝を行っていることは知らなかった。尚、アミノ酸は20種類があり、窒素に3個の水素を付けた構造のアミノ基は、20種類のアミノ酸の基本構造を担っている。窒素が植物の必須元素で、慣行農法では肥料として植物に与えている理由が分かった。又これは、自然農法との大きな違いだ。
自然農法では、自然に生える草が枯れて、枯れた草を虫や微生物が分解することを繰り返すことにより、土壌を有機質に変えてゆき、植物の栄養源を確保している。

代謝:硝酸イオンの同化(窒素同化)

植物は土壌中の無機体の窒素である硝酸イオン(NO3-)を、有機物に同化(無機物から有機物を合成すること)するという(*)。ここで硝酸イオンは、自然に土壌にあるものと、窒素肥料から発生したものがあると考えてよいだろう。
硝酸イオンは土壌で水に溶けた状態で存在し、根から植物細胞の細胞質に運ばれる。硝酸イオンは、まず細胞質で硝酸還元酵素により、亜硝酸イオン(NO2-)に還元される。この亜硝酸が植物細胞の細胞小器官である葉緑体の中で亜硝酸還元酵素により、アンモニア(NH4+)まで還元される。生成したアンモニアはグルタミン酸合成酵素によって、グルタミンと縮合しグルタミン(アミノ酸の一つ)を生じる。グルタミンは更にグルタミン酸合成酵素により、2分子のグルタミン酸を生じる。生じたグルタミン酸から、アミノ基転移反応により他のアミノ酸が合成されてゆく(*)という。植物の体の中で、科学の実験のような事が整然と自律的に起こっているのだから驚きだ。

硝酸態窒素(硝酸イオン)問題

ここで問題となるのは、植物の代謝能力を超えて硝酸イオンが、土壌に供給された場合だろう。化学の実験でも、水に溶ける食塩の量は飽和状態を超えれば、それ以上溶かすことは出来ない。硝酸イオンが植物の代謝能力を超えて植物に供給されると、無機質の状態でそのまま植物内に残る可能性があることが考えられる。又、土壌に残った硝酸態窒素は、富栄養化による環境問題を引き起こすことが言われている。
硝酸態窒素の問題は、ネット上で多く語られているので一例を以下に示す:硝酸態窒素問題。この記事では、硝酸態窒素の問題は、化学肥料(慣行農法)を使った農法の問題としては捉えていない。しかし、収量アップをしたいが為の、化学肥料の過剰な施肥は、土壌や植物体内への硝酸態窒素の残留を引き起こす可能性が高いと考えて良いのだろう。

 

結論、まとめ

慣行農法では、窒素肥料を植物の代謝能力を超えて施肥した場合、植物体内に硝酸態窒素の形で硝酸イオンが残留しやすいことがわかった。自然農法では自然に生えた草の分解を重ねることによって、有機質の土壌を作って行くことから、窒素の供給過剰が発生することは考えにくい。
硝酸イオンが残留したナスやサツマイモが、どんな味がするのかは、残念ながら今のところわからない。しかし、自然農法野菜を食べて行くうちに感じたのは、化学肥料で大きく育てた野菜が旨くないのは、一つの原因として、残留硝酸態窒素が原因となっているのではないかと言うことだ。
人類が確立してきた味覚は、体に取り入れて良いものを旨いと感じ、ダメなものを不味いと感じる能力が、何万年もかけて備わってきたのであろう。だとすれば、自然農法野菜は、安心して食べられる野菜であり、逆に化学肥料で大きく育てた野菜は、敬遠すべき野菜と言ってよいのであろう。
にわか農園主 白菜ほうれん草  2018年2月

 

参考文献 *放送大学 植物の科学

  2020年収穫の自然農法野菜を食べる

ジャガイモの試食その2 ポテトチップス

初夏の野菜を食べる 畑の見学に来ていただいた知人に試食していただきました

ジャガイモ
HSさん:今日の昼食にジャガイモを食べました。おいしかったです。特に紅色のジャガイモが美味しいと女房が言っていました。
蒸して、塩とバターで食べました。

JNさん:自分のジャガイモと比較してみましたが、やはり?でも、自然農法はよいのがわかりました。私も少し取り入れたいと思います。








ジャガイモ ジャガイモ ジャガイモ



昨日いただいた野菜で夕食を楽しみました
胡瓜の塩麹漬け、春菊とジャガイモの味噌汁。胡瓜は柔らかく弾力が出てきておいしかったです。
春菊は味が濃くて一味違いました。

  2018年収穫の自然農法野菜を食べる

秋野菜を食べる 追熟野菜の旨味

カボチャ カボチャ料理 サツマイモ料理 ジャガイモ料理 カブ料理 ジャガイモ料理
写真上段 左から:収穫後3カ月が経過したカボチャをカット、硬くて大変だった。中:カットしたカボチャを油で素揚げしたもの、軽く塩をふった。右:さつま芋収穫後2カ月以上経過したさつま芋を油で素揚げした後ではちみつを絡めた。
カボチャとサツマイモは追熟により、甘味と旨味が一層ました。デンプンが糖に変わったり、水分が減ってアミノ酸の類の比率が増すからであろうか。追熟はタイミングを失すると腐ってしまうことがあるので注意が必要だ。あまり寒い所に長期間置かない方が良いようだ。

写真下段 左から:ポテトサラダ。中:紫カブの煮つけ。右:ダイコンの煮つけ 撮影全て2018年12月1日
ポテトサラダのジャガイモは秋になって掘り残しのジャガイモが出てきたので、それを収穫したものだ。カブは大きく育って初冬に入っても収穫することが出来た。ダイコンは冬野菜と言っても良いのだろうか。畑へ行くたびに収穫して、ぬか漬けや煮つけで食卓を飾ってくれた。自然農法野菜は食後の満足感と言うか適当な言葉が見つからないが、食の充実を感じる。
2018年12月27日 白菜ほうれん草

夏野菜を食べる 食のサブシステンスを感じる

ナス料理 ナス料理 ナス料理 キュウリ料理 ネギ料理 オクラ料理 写真上段 左中:ナス料理、右:ナスのぬか漬け
調理は、カミさんが担当している。食事の前に十分程度で簡単に作っているので、手の込んだものではない。右側のぬか漬けは私が担当している。ナスは沢山とれて、毎日がナス料理だ。しかし、飽きることはなかった。
写真下段 左からキュウリ、ネギ、オクラの調理例
キュウリの中に赤く見えるのは「鷹の爪」、適度に辛みが出てパンチが効く。

●サブシステンス(subsistence : 生存)という言葉に興味をもったのは数年前だ。生命の維持や生存のための活動で、土地に根差した人々の生活の営みの根底にあり、物質的・精神的な基盤をさす(ネット上の記述、一部改変)という説明を見つけた時だ。この、土地に根差したとあるところに興味を覚えた。原始人類の食は、土地に根差した野菜作りをはじめたことで格段に進歩したはずだ。
●自然農法は、原始人類が野菜作りを始めた時のやり方そのままだ。草を管理することで、その草を有機質の肥料成分に変える。有機質の肥料は、アミノ酸などの成分を多く含み、これが植物細胞のリサイクルを完成させる。
●自然農法の野菜はやはり旨いのだ。田舎ではナスなんぞを毎日出されたら文句の一つも言いたくなる。でも自然農法のナスは違った。本当に旨いモノは、飽きが来ない。原始人類は、毎日旨い野菜を食べていたのだろう、というよりも食べてもよいモノを、旨く感じるように味覚が進化してきたと考えて良いのではないか。6年目にして畑は、自然農法の野菜をたくさん収穫することが出来るようになった。日常の食卓に自然農法の野菜が増え、食生活の充実を感じられるようになってきた。

2018年9月27日 白菜ほうれん草

  2017年収穫の自然農法野菜を食べる

サツマイモ 収穫10月末~

サツマイモ サツマイモ このサツマイモの種類は判らない。ゴルフの帰りに、道の駅で購入した苗で、品種名等は表示されていなかったのだ。ネット調査で、安納芋(あんのういも)系の品種ではないかと思われる。

調理方法は、輪切りにしたものを、バターを引いたフライパンで焼いた簡単なものだ。

さつま芋の評価は食感と甘さのようだ。食感は、ホクホクとねっとりの中間ぐらい。甘さは、自然農法の特徴と言っていいと思うが、上品な甘さが口の中に広がった。慣行農法のさつま芋を食べると、甘味の中に嫌味があるのが判ることがあるが、これはそういうものが無い。私は昭和30年生まれで、子どものおやつと言えば、さつま芋だった頃を思い出す。残念ながら、あまり、旨かったという印象はないのだ。戦後日本の農業は、農協が販売する化学肥料を使って、生産性を高めてきた歴史がある。旨い、まずいなどは二の次だったのだろう。自然農法の野菜はなぜ旨いのか(慣行農法の野菜はなぜ、まずいのか)、そろそろ調べてみる必要がでてきた。

ナス 収穫7月末~

トマト ナスは2種類を作った。形でわけると、普通の流線形をしたナスと、キュウリのような細長い形のナスだ

細長いナスはどんどん実を付けて、たくさん収穫することができた。ナスはそのまま食べることは出来ないので、かみさんに調理を頼み、イカの足とミニトマトと一緒に油で炒めてもらった(写真)。

ナスは子どもの時に食べた印象で、あまり好きな野菜ではない。しかし、このナスは違う。ナスの旨味が口の中で溶けるような感じだ。昨年と比べると更に旨味が増しているのではと感じた。






トマト 収穫7月末~

トマト 今年は、トマトの出来があまり良くなかった。天気の影響が、少なからずあるのだろう。

少ない収穫の中で、しっかり色づいたトマトを食べてみることにした(写真)。

果たしてその味はどうか、甘味はしっかりとある。その中に程よい酸味もある。うまい、小さくてあまり見栄えも良くないが、味は良かった。







スイカ(黒小玉スイカ、固定種)収穫2017年8月~

スイカ スイカ 写真のスイカの収穫は、お盆も過ぎ、だいぶ遅い時期となった。成熟を示す実の近くの巻きヒゲが、枯れずにいたので、しばらく、そのままにしておいた。まきヒゲが枯れて、付近の葉もわずかに枯れ始めた頃を見計らい、収穫をした。

スイカをカットしてみると、程よく成熟していることを確認でき、一安心した。

果たしてその味はどうか、幾分過成熟の感はあったが、自然農法野菜特有のさわやか感のある甘味を感じることができた。



  2016年収穫の自然農法野菜を食べる

ニンジン 収穫 11月~

間引いたたニンジン ニンジンの天ぷら料理 春菊の天ぷら料理
写真左(撮影11月25日)は秋口に直まきしたニンジンを間引いたものだ。オレンジ色がきれいだ。一緒に収穫した春菊と天ぷらで食べてみることにした(写真中、右、撮影同日)
まずニンジンだが、上品な甘味が感じられ食感もよい。美味と言ってよいだろう。ビールのつまみには持って来いだ。春菊はニンジン程の感動は無かったがそこそこの味と言ったところだ。
自然農法野菜は葉物に比べて、根菜類で強く旨味を感じる傾向があるようだ。

夏野菜料理  ナス料理、ミニトマト料理

収穫したナス ナス料理 トマト料理
ナスは昨年と比べて収量が向上した。土壌が改善されてきていると考えて良いと思う。ナス料理は色々あるが、写真は豚肉、ピーマンとの炒め物だ。子供の時ナスは余り旨いという印象のない野菜であったが、自然農法のナスは大変おいしく感じてられる。自分で作った野菜はうまく感じるもの、又大人と子供の味覚の違いもあるだろうが、客観的に評価して、そう言い切れる自信がある。自然農法野菜は明らかに旨い。
写真右はミニトマトだ。去年植えた苗のこぼれ種が発芽成長し、11月末まで収穫できた。生でもよし、写真のように火を通すと甘味が増し、食べやすくなった。
写真左:収穫したナス(撮影7月19日)。写真中:ナス料理、ピーマンと豚バラ肉の炒め物(撮影8月23日)。
写真右:ミニトマト(ブラジルミニ)を軽く炒めた(撮影9月25日)。

トマト料理  トマト:道の駅で苗を購入「甘太郎(ピコ太郎ではなかった)」  収穫8月~

収穫したトマト トマト料理
道の駅でトマト苗を見つけ、早速購入した。大玉は作るのが難しいとの先入観があったがスクスクと良く育った。整枝とか面倒なことは一切せず自然のままに任せた。虫が付いたりもせず、無事に育ってくれた。ただ、収穫期に雨の日が多く、実の底部に裂果が生じる物が多く出た。

味はどうか。写真は無いがスライスして塩を振り、沢山食べた。ハウス物は収穫期に水を切らす様だが、前述のように雨が多く、水っぽい感じがすることは否めない。
写真はトマトをマリネ風に調理したもので、酢を加えることで、大変おいしくいただけた。



カボチャの煮物  カボチャ:交配種 かちわり  収穫8月中旬~

収穫したカボチャ カボチャの煮物
今年はカボチャが沢山とれた。去年は数個しか取れなかったが、日照りを乗り越えるとグングン育ち、沢山の実をつけた。定植は去年と違う所で行ったが、土が成熟してきたことが伺われる。

果たして味はどうか。写真に見られる様に、煮物の見栄えは良い。早速食べてみた。旨い!今までに食べたカボチャの中で一番旨いかもしれない(ちなみに小生61歳)カボチャなんかを食べて感動したことは記憶にない。しかし、これは違っていた。ほのかな甘みの中に旨味成分がたっぷりとある。決して、だしや味の素でつけた味ではない。カボチャ本来の旨さだ。



キュウリのぬか漬け  キュウリ:椎葉村在来  収穫7月中旬~

収穫したキュウリ キュウリの漬物
今年は5月の日照りで苗が大方枯れてしまい、貴重なキュウリとなった。キュウリの食べ方としてぬか漬けは一般的だ。
ぬか漬けを科学的に見ると、米ぬかを(その家に住む)乳酸菌で発酵させることで、米ぬかからは多くの栄養分や旨味成分が創り出され、野菜に染み込む。その結果、野菜の風味や栄養価を変化させることが可能になるという(放送大学、くらしに役立つバイオサイエンス)。ぬか漬けはバイオサイエンスの賜物として古くから活用されてきたのだ。
と言うことで、漬物の味は糠床の実力に負うところが大きい様である。写真は、収穫したキュウリとぬか漬けにしたキュウリだ。色が若干茶色ぽく変色している。味はどうか。ちょっと塩味がきつい気がする。糠床へは、過去の苦い経験(塩分の不足からくる悪玉菌の増殖)から適宜塩を補充している。塩を補充した直後は、やはりしょっぱい。まだ糠床が未熟なようだ。歯ごたえはよい。旨味を感じるには、ぬか床を今少し寝かせる必要があるようだ。

スイカ スイカの種類:黒皮スイカ(接木)  収穫8月11日~

収穫したスイカ  
今年はスイカの苗を作るところで、アブラムシが媒介したウイルスにやられて、やむなくホームセンターで購入した苗を育てた。スイカはすくすくとよく育った。
収穫時期の見極めを知人に教わり(実は収穫時期を誤り、白いスイカを収穫してしまったのだ。知人もスイカ作り名人のおばさんに教わったと言っていた)、それに従って大きく育ったものをひとつ収穫した。大丈夫だろうと思っても自分で育てたせいか、包丁を入れる瞬間は緊張する。いざ包丁を入れると、よく成熟したスイカの断面が現れた。一安心し、さっそく食べてみた。カットしたスイカの先端は、上品な甘味とみずみずしさに溢れていた。うまい、と思わずつぶやく。家族も賛成した。

今年、何種類かのスイカを食べる機会があった。最初に食べたのは慣行農法で育てた地元のスイカだ。これと比較すると、自然農法スイカの「うまさ」は疑う余地が無い。次は新潟県八海山麓と生産者名が書かれたシールが張ってあるブランドスイカだ。このスイカはややオレンジ色をしていた。上品な甘味があるし、皮の方まで甘味がある。このスイカと比較すると、残念ながら自然農法スイカは負けているかもしれない。しかし、スイカ作りを初めてまだ2年目だ。今後に期待しよう。


ジャガイモ イモの種類: とうや 収穫7月19日~

収穫したジャガイモ 調理例カレー  とうや(写真左)は、北海道生まれで洞爺湖に因んで付けられた名前のようだ。農林水産省の品種登録データベースによれば、その特徴は、「でん粉価は低、肉質はやや粘、煮くずれの程度は少、フライの乾湿はやや湿、食味は中、用途は調理である」とあった。
 まずはカレー(写真右)にして食べてみた。ジャガイモをスプーンですくって口に入れる。柔かな肉質を感じた。噛む程に、自然栽農法で栽培した野菜の特徴と言ってよいと思うのだが、さわやかなジャガイモの旨味を感じた。雑味、嫌味は無い。
 自然農法野菜は、本来人間に備わっている「うまい」と感じる性質が現れてくると言って良いのだろう。

  在来種 木曽紫カブ 収穫 2015年11月末~

収穫した紫カブ 調理例1赤ワイン煮 調理例2ぬか漬け  長野県木曽地方在来の木曽カブ、ネットで調理例を調べ鶏肉と一緒に赤ワインで煮てみた。食べてみると味付けがしっかりしていて、特に自然農法野菜だなというところは感じられなかったが、嫌味の無い、素直な味と言ったところ。
 このカブは、しっかり漬け込んだ方がおいしい。写真に見られるように、 カット面に透明感が出てきたころが食べごろ。漬物は糠床の熟成度に影響するところが大きいのだろうが、おいしく食べられた。
写真説明 左:収穫したカブ、きれいな紫色をしている。カブの8割型が、地面から外にでており、わずかに引っ張れば収穫できる。
     中:調理例1、鶏肉と一緒に赤ワインで煮た。撮影2015年11月
     右:ぬか漬けにしてみた。撮影2015年12月
ぬか床作り  
ぬか床作りの泣き笑い
ぬか漬けを食べるにはぬか床が必要になる。左の写真はネットで作り方を調べて、容器とぬかと塩を買い、ぬか床を仕込んだものだ。
始めたのが6月頃と暖かい時期だったので、発酵がよく進み翌日には体積が1~2割程増えて、すぐに漬物ができるようになった。
しかし、8月を過ぎた当たりからは、匂いが強くなり家族から何とかしての声が上がるようになった。対応策を色々調べ、お茶の葉を入れてみたりしたが、匂いは更にきつくなり、遂に10月には、廃棄という苦渋の決断をせざるを得なくなった。
失敗の原因を今考えると、塩分濃度に問題があったと思われる。糠床の塩分濃度は漬ける野菜が増えるに連れて薄くなる。その結果、糠床内の微生物バランスが変わり悪玉菌が増え異臭が出始めたものと思われる。糠床は11月に2回目の仕込みを行った。上のカブの漬物は仕込み後一ヶ月半ほど経過したものを使用した。

  在来種 越谷インゲン 収穫 2015年8月末~10月

収穫したインゲン インゲン調理例1 インゲン調理例2  種子の説明書きでは、良質肉厚でやわらかく、食味が良いとある。残念ながら現在の畑では、まだこのインゲンの良さを引き出せず、 肉質は固い感じがした。食味は、自然農法の特徴と言えるのかもしれないが、さわやか感があり、インゲンの旨味が感じられた。
写真説明 左:収穫したインゲン、形が不揃いで、生長があまり上手く行かなかったことが伺われる。
     中:調理例1、茹でたインゲンに小女子をまぶし、さらにマヨネーズ、しょうゆを少々垂らした。
     右:調理例2、豚肉に茹でたインゲンを添えた。

 交配種 カボチャ かちわり 収穫 2015年7月末~

収穫したカボチャ カットしたカボチャ カボチャ調理例  種子の説明書きをそのまま記すと「肉質は緻密強紛質で甘栗のような濃厚な食味」とあった。正にこの表現がぴったりのカボチャだ。 何の味付けをしなくても甘味、旨味とも充分ある。食感は正に甘栗のよう。残念だったのは、収穫量が少なく、一つの株から1個しか取れず、 大変貴重なカボチャとなってしまった。
写真説明 左:収穫したカボチャ、初めての収穫で収穫時がよくわからなかったが、写真のように少し赤みが入ったところで収穫した。
     中:収穫後一ヶ月、更にカットした状態で冷蔵庫で10日ほど保存。白い粉上に浮き出ているのはデンプンか。
     右:調理例、薄くカットし、フライパンで焼いた。とてもいい色に焼けた。

 在来種 トマト ブラジルミニ 収穫 2015年7月末~

収穫したミニトマト ミニトマト調理例1 ミニトマト調理例2  種子の説明書きに「ブラジルの有機農業で自家採取されてきた桃色ミニトマト、初期は甘味が少ない」とあった。生で食べてみると 確かに今風の味ではない。甘味というより、少し青くさいような感がある。このトマトは、加熱することにより、味がぐっとよくなった。 調理例に示すように油で軽く炒めると、青くささはなくなり、ほんのり上品な甘さが出てきた。 
写真説明 左:収穫したミニトマト、やや細長、原種に近いことを窺わせているのか
     中:加熱調理例1、ピーマン、ハムと炒めた
     右:加熱調理例2、ミニトマトとベーコンを炒めて、その後に卵を流し溶いた。トマトの甘味がぐっとました。

 マクワウリ 甜掉芽(てんちょうは)(固定種)収穫2015年7月末

収穫したマクワウリ カットしたマクワウリ 同拡大  マクワウリにメロンのような、味を期待してはいけない(実際期待していたのだが)。外観を見れば明らかだった。余りにも違いすぎる。 この模様に一体どんな意図があるのか。ちなみに子供は手を出さなかった。
 まず、メロンのようなねっとりとした甘味はない。わずかに甘味のついた淡雪のような感じ、上善如水の形容がぴったりくる。 少し、物足りないと感じたら、よく冷やして、はちみつを添えると、夏のデザートとしてぴったりだ。  
写真説明 左:収穫したマクワウリ、模様がなんともすごい
     中:カットしたマクワウリ、中は薄いグリーンでみずみずしい
     右: 同上の拡大

 黒小玉スイカ(固定種)収穫2015年7月末

収穫したスイカ カットしたスイカ  このスイカはボーリングのボールのようにきれいな球形で、スイカ特有の黒い縞がない。果たして中身はどうなっているのか。 いざ包丁を入れ、真っ二つに割ってみると、何とも皮の部分が厚く、白い部分が 多い。未成熟か、なんだか一瞬損をしたような気持ちになった。
 気を取り直して、塩を軽く振り食してみた。カットしたスイカの先端はしっかり甘く、いつものスイカと変わらない。未成熟などではない。だんだん 食べてゆくとさすがに甘味は薄らいできたが、それに引き換えにみずみずしさが一段と増してきた。このみずみずしさは、最近のスイカでは味わったことがない。 ちょうどかき氷のように、最初は甘く、最後はスッキリ甘さ控えめといった感じである。白い部分もしっかり食べられた。
写真説明 左:収穫し真っ二つ割ったスイカ、皮が厚く白い部分が多い
     右:塩をわずかにまぶし食した 白い部分が多いが、そのみずみずしさは最近経験したことがない

 ジャガイモ(一般品)  収穫2015年6月末

収穫したスイカ 茹でたジャガイモ  自然農法で初めての収穫物がジャガイモだった。畑に植えた種芋の量と、収穫した量が大差のない程度のものであったが、記念すべき初物の収穫である。
 どのようにして食べようかと思案し、ちょうどテレビドラマの「天皇の料理番」で、主人公が異国の地で、異国の娘と茹でたジャガイモに バターと塩でおいしそうに食べていたのを思い出し、そのようにして食べてみることにした。
 果たしてその味はどうか。ジャガイモなどを味わうという意識で食べたことはないが、一口食べて旨いと感じた。 あっさりした癖のない味ながら、ほんわりと旨味が伝わってくる。 手前みそになるといけないので、家族にも食べてもらったが、同じような感想であった。
写真説明 左:収穫したジャガイモ、全体的に小粒、ウメボシぐらいの小さいものも大事に家に持ち帰った。
     右:茹でたジャガイモ、塩をわずかにまぶし、バターをぬった。